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訪問看護の初回加算とは?算定要件やⅠ・Ⅱの違い・請求の注意点を解説【2026年最新】

訪問看護の初回加算とは?算定要件やⅠ・Ⅱの違い・請求の注意点を解説【2026年最新】

公開:

2024年3月19日

更新:

2026年8月31日
訪問看護の初回加算(Ⅰ・Ⅱ)の算定要件や請求の注意点を解説したアイキャッチ画像

新規の利用者様を受け入れる際、アセスメントや訪問看護計画書の作成、関係機関との連携など、訪問看護ステーションの管理者や現場スタッフの負担は一気に高まります。そうした初期対応の手間やサービス開始直後の手厚い看護を適切に評価するのが「初回加算」です。

しかしながら、「退院当日の訪問は対象になるのか」「過去に利用があった場合の歴月はどう計算するのか」など、算定要件の複雑さから請求ミスや返戻への不安を抱える管理者様も少なくありません。

本記事では、訪問看護ステーションの管理者や請求担当者様に向けて、初回加算の定義や算定要件、具体事例、請求トラブルへの対処法まで実務に役立つ知識を分かりやすく解説します。適切な請求による事業所経営の安定化と、新規受け入れ時の疑問解消にぜひお役立てください。

💡 この記事を読めばわかること

  • 初回加算(Ⅰ・Ⅱ)の単位数と退院「当日」訪問の算定要件
  • 過去2ヶ月間(歴月)の正確なカウント方法と事例別(〇/✖)の判定基準
  • 返戻や請求ミスを防ぐための必要書類と過誤申立時の対処法

目次


訪問看護の初回加算の概要

初回加算は、新たに訪問看護を利用する方へのアセスメントや最初の計画作成、丁寧なサービス開始を評価する介護保険の加算です。医療保険との評価構造の違いを正しく把握しておくことが第一歩となります。

訪問看護ステーションでは、新たに利用者を受け入れる際や要介護度の変更などで、訪問看護計画を新規に作成したり見直したりする必要がある場合に「初回加算」を算定できます。利用者へのサービス向上と事業所の経営安定を目的として設けられている大切な評価項目です。

厚生労働省の資料による、初回加算の算定状況は以下のとおりです。

厚生労働省資料:訪問看護における初回加算の算定状況データ(イメージ画像)
出典:厚生労働省「第230回社会保障審議会介護給付費分科会資料 訪問看護(P33)
現場の声
現場の声

「初回加算の算定数は年々増加しているんですね。割合は6割で推移していますね。

残りの4割は、①同じく介護保険で在宅移行を支援する退院時共同指導加算の算定と、②例えば退院時は頻回な訪問が必要とされ特別指示書が出された場合などの医療保険による訪問看護から介護保険に移行し初回加算を算定できないケース、③再開の際の算定漏れなどが考えられます。」

医療保険と介護保険における評価の違い


医療保険における訪問看護では「初回加算」という名称の加算はありません。その代わり、毎月の初回訪問日に「訪問看護管理療養費」が高額に設定されています。

保険区分 加算・評価の名称 初回訪問時の評価 特徴
介護保険 初回加算(Ⅰ・Ⅱ) 月単位で加算(350単位または300単位) 新規利用時や長期中断後の再開時などに算定
医療保険 訪問看護管理療養費 初日の訪問日:7,440円/日(機能強化型以外) 毎月、月の初回の訪問日が高く設定される仕組み

制度ごとに異なる算定タイミングの比較


介護保険の初回加算は「新規受け入れ時や条件を満たした再開時」にのみ算定できる点に対し、医療保険の管理療養費は「毎月の最初の訪問日」に自動的に高く評価される構造となっています。両者の仕組みや評価体系の違いを理解しておくことが重要です。

関連記事 介護保険が適用される訪問看護の全体像や医療保険との違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。
≫ 【介護保険による訪問看護とは?】


初回加算には(Ⅰ)350単位と(Ⅱ)300単位の2区分が存在します。退院・退所「当日」に訪問看護を提供できる体制があるかどうかが区分の分かれ目となります。

介護報酬改定により、要介護者などのより円滑な在宅移行を推進する観点から、看護師が退院・退所当日に初回訪問することを評価する上位区分が設けられています。

区分 単位数(月額) 算定の主な条件 1割負担の目安
初回加算(Ⅰ) 350単位/月 退院・退所した当日に初回訪問を行った場合 約350円
初回加算(Ⅱ) 300単位/月 退院・退所した翌日以降に初回訪問を行った場合 約300円

初回加算(Ⅰ)350単位の算定要件


新規に訪問看護計画書を作成した利用者に対して、病院や診療所などから退院した当日に指定訪問看護事業所の看護師が初回の訪問看護を行った場合に算定します。退院当日の服薬支援、点滴管理、家族への指導など、在宅移行直後の緊急度の高いニーズに対応する体制を評価するものです。

退院日に必要があった場合の利用者の状況は以下のとおりです。

厚生労働省資料:退院当日に訪問の必要があった利用者の状況データ(イメージ画像)
出典:厚生労働省「令和5年度 訪問看護及び療養通所介護における医療と介護の一体的なサービス提供についての調査研究事業(P42)
現場の声
現場の声

「退院にあたっての体調や病状に関する不安をもたれる利用者やご家族は多いですね。緊急時や医療処置への困りごとや心配が多いこともわかります。

今後の見通しとして、医療的な処置を必要とし在宅へ移行する利用者の増加が予想されるなど、退院当日の訪問はより重要性は増していきますね。」

初回加算(Ⅱ)300単位の算定要件


新規に訪問看護計画書を作成した利用者に対して、退院した翌日以降に初回の訪問看護を行った場合に算定します。また、退院を伴わない通常の地域からの新規受け入れ時も(Ⅱ)の対象となります。

  • (Ⅰ)と(Ⅱ)を同じ月に併用して算定することはできません
  • 退院時共同指導加算を算定している場合は、初回加算を算定できません


初回加算を算定するには、単に新規受け入れであるだけでなく「過去2ヶ月間(歴月)の利用実績がないこと」などの時期に関するルールを正確に満たす必要があります。

初回加算の対象となる利用者は以下の条件に該当する方です。

  • 新規に訪問看護を利用開始する方
  • 過去2ヶ月間(歴月)に当該事業所から訪問看護を受けていない方
  • 要介護⇔要支援の区分変更が行われた方

過去2ヶ月間(歴月)の利用履歴の注意点


「歴月」とは、月の初日(1日)から末日までのカレンダー通りの1ヶ月間を指します。直近60日間という意味ではありません。

訪問看護の初回加算における過去2ヶ月(歴月)のカウント方法の説明図解

例えば、4月15日に初回訪問を行う場合、同年の「2月1日〜4月14日」の間に当該事業所からの訪問看護実績がなければ、過去2ヶ月間の空き条件を満たします。なお、この利用履歴は「自事業所」の履歴のみで判定します。他の訪問看護ステーションを直前まで利用していた場合であっても、自事業所で2ヶ月間利用がなければ算定可能です。

要介護度の区分変更が発生した場合の扱い


要支援から要介護、または要介護から要支援への区分変更があった場合、サービス計画の引き継ぎや見直しに伴い、新たに初回加算を算定できます。ただし、要介護1から要介護3など、同じ要介護度の間での2区分以上の変更では算定対象となりません。


第2章:訪問看護の初回加算の算定要件の詳細

現場の看護師や請求担当者が判断に迷いやすい8つの典型事例をまとめました。自事業所のケースと照らし合わせて判定にお役立てください。

初回加算が算定できる具体的な事例


〇 事例1:新規利用者の場合

要介護3のAさんが初めて訪問看護を利用。過去2ヶ月間に自事業所の利用がないため算定可能。

〇 事例2:歴月2ヶ月以上空いて再開

利用中のBさんが2月20日に入院し5月2日に退院。3月・4月の2ヶ月(歴月)に訪問実績がないため再開時に算定可能。

〇 事例3:要支援から要介護への区分変更

要支援1から要介護2に区分変更。新たな計画書を作成し初回訪問を行ったため算定可能。

〇 事例4:理学療法士等のリハビリ訪問

看護職員(准看護師除く)と理学療法士などが連携して訪問看護計画書を作成していれば、初回の訪問が理学療法士であっても算定可能。

💡 現場アドバイス:初回訪問をセラピストが行う場合でも、事前に看護師が訪問アセスメントや計画書作成に関わった記録をしっかり残しておくことが返戻を防ぐポイントです。

〇 事例5:複数事業所の同時利用

他ステーション利用中の利用者に自事業所も新規介入する場合、自事業所の要件を満たせば算定可能。

初回加算が算定不可となる主なケース


✖ 事例6:医療保険から介護保険への移行

過去2ヶ月以内に同じ事業所から医療保険で訪問看護を受けていた場合、介護保険へ切り替えても初回加算は算定不可。

✖ 事例7:特別指示書に基づく訪問からの切り替え

特別指示期間中(医療保険)に訪問していた場合、指示期間終了後に介護保険へ移行しても初回加算は算定不可。

✖ 事例8:退院時共同指導加算との併用

退院月に退院時共同指導加算(600単位)を算定する場合、算定根拠が重複するため初回加算は算定不可。

💡 現場アドバイス:退院時共同指導加算(600単位)の方が単位数が高いため、両方の要件を満たす場合は共同指導加算を優先して算定するのが一般的です。

算定要件の確認に役立つセルフチェックリスト


請求前の最終確認として活用できるチェックリストです。

【初回加算 請求前最終セルフチェック】

  • ▢ 利用者は過去2ヶ月間(歴月)に自事業所からの訪問看護を受けていないか
  • ▢ 介護保険による訪問看護サービスを開始しているか
  • ▢ 同じ月に「退院時共同指導加算」を算定していないか
  • ▢ 利用者は要支援1〜2または要介護1〜5の認定を受けているか
  • ▢ 看護職員(准看護師除く)が初回訪問を行ったか、または計画書作成で連携しているか
関連記事 退院時に初回加算と併用不可となる「退院時共同指導加算(600単位)」の算定要件や注意点については、以下の記事で詳しく解説しています。
≫ 訪問看護 退院時共同指導加算の完全ガイド|算定要件・書き方・注意点


第3章:訪問看護の初回加算の請求トラブルシューティング

初回加算は初月のみの限定的な算定であるため、計画書の交付漏れやケアマネジャーとのデータ不一致による「返戻」に注意が必要です。

必要書類の不足や要件未満による返戻対策


初回加算の請求には、新規に作成した「訪問看護計画書」および交付記録の保管が必要です。また、ケアマネジャーが作成する「居宅サービス計画(利用票・給付管理票)」に初回加算が位置付けられていない場合、国保中央会で突き合わせエラーとなり返戻されます。事前の連携確認が欠かせません。

請求漏れや過誤申立時の手続きと修正手順


初回加算を請求し忘れた場合、翌月以降に加算分だけを追加請求することは認められていません。請求漏れが発生した場合は、一度該当月の請求を取り下げる「過誤申立」を行い、処理完了後に正しい内容(初回加算を含めた形)で再請求する手順となります。

関連記事 初回加算の算定に不可欠な「新規の訪問看護計画書」の正しい書き方や実践ポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。
≫ 訪問看護計画書の効果的な書き方を徹底解説


第5章:訪問看護の初回加算に関するよくある質問

訪問看護ステーションの現場からよく寄せられる、初回加算の疑問点と回答をまとめました。

実務で現場から寄せられるQ&A集


Q1:過去2ヶ月間に訪問看護を受けていないことの確認は他事業所も含めますか?

A:他事業所の利用歴は含めません。自事業所での利用実績が過去2ヶ月間(歴月)なければ、他事業所を利用していた場合でも算定可能です。

Q2:初回訪問は必ず看護師が行わなければなりませんか?

A:原則は看護職員ですが、保健師・看護師(准看護師除く)と理学療法士などが事前に連携して訪問看護計画書を作成している場合に限り、初回の訪問が理学療法士などが行っても算定できます。

Q3:要介護状態区分が2区分以上変更された場合は初回加算の対象になりますか?

A:居宅介護支援と異なり、訪問看護では要介護度の2区分変更(例:要介護1→要介護3)による初回加算の算定は認められていません(要支援⇔要介護の変更時のみ算定可能です)。


第6章:訪問看護の初回加算のまとめ

初回加算は新規受け入れ時の初期アセスメントや丁寧な対応を評価する重要項目です。算定漏れや返戻を防ぎ、適切な事業所運営につなげましょう。

  • 算定タイミング:新規計画書を作成し初回の訪問看護を行った月に算定
  • 区分と単位数:退院当日訪問は初回加算(Ⅰ)350単位、翌日以降は初回加算(Ⅱ)300単位
  • 過去2ヶ月の定義:歴月(カレンダー月)単位で自事業所の利用実績がないこと
  • 併用不可ルール:退院時共同指導加算との同時算定は不可
  • 区分変更:要支援⇔要介護の変更時のみ算定可能
  • 医療保険からの切り替え:直近に医療保険で訪問していた場合は算定不可

初回加算の適切な算定は、訪問看護ステーションの収益向上とスムーズな受け入れ体制の構築に有効な解決策となります。本マニュアルを参考に算定ルールを正確に理解し、日々の実務に役立ててください。

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  • 医療・介護保険の自動判定機能
    入力された指示書や状態情報から算定すべき保険を自動判別し、返戻リスクを低減。
  • 加算・加算期間の自動管理
    加算の算定漏れを防ぎ、有効期限や状態変化に合わせたアラート通知。

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