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【まだ間に合う!】訪問看護のオンライン請求・オンライン資格確認の義務化 | 対応や補助金申請期限などをわかりやすく解説

【まだ間に合う!】訪問看護のオンライン請求・オンライン資格確認の義務化 | 対応や補助金申請期限などをわかりやすく解説

目次

「オンライン請求とオンライン資格確認、結局いつまでに何をすればいいのかわからない…」
「情報があちこちにあるけど、間に合うかな?」
「準備の費用はどのくらい?助成金申請はいつまで??」

令和6年から始まる訪問看護ステーションでの医療保険のレセプトオンライン請求と、オンライン資格確認。
厚生労働省や各機関、事業者から情報が次々と発表されていますが、結局何をしたらいいかわかりにくいと感じる方もおられるのではないでしょうか?
この記事では、令和6年1月末時点でわかっている情報を、できるだけわかりやすく解説します。
見積もりや届け出を既に済ませた方も、まだこれからという方も、ぜひこの記事で理解を深めてください。

≫関連記事訪問看護で医療保険が使える条件は?
 

訪問看護におけるオンライン資格確認とは、訪問看護ステーションのモバイル端末などを利用して、利用者の医療保険の資格情報などの確認が可能になる仕組みです。
スマホやタブレットなどを使って、利用者のご自宅などでマイナンバーカードを読み取り、ステーションに帰ってからオンライン資格確認・オンライン請求用端末で情報を閲覧できます。

利用者から同意を取得しオンライン資格確認を行った場合、診療情報や検診の情報、薬剤の情報などを取得し閲覧可能となることで、訪問看護にも活用できます。

なお今後、生活保護の医療扶助についてもオンライン資格確認に対応となる予定です。

これまで紙に印刷して審査支払機関に郵送していた医療保険請求分のレセプトを、セキュリティが確保されたネットワーク回線により、オンラインで送付することが可能になります。

オンラインで請求できるようになると、以下のようなメリットがあります。

保険者および審査支払機関においてもレセプト処理事務の大幅な効率化が期待されます。

レセプト情報の利活用、データ分析や在宅医療の実態把握の推進にもつながると言われています。

オンライン資格確認と合わせることで最新の資格情報が確認できるようになり、保険証を更新していなかった、新しい方を見忘れた、社保から国保に変更になった、といったことが原因となるレセプト返戻も減少される見込みがあります。

レセプト作成時に保険者の保険証資格情報の入力も不要となり効率化されます。

印刷発送が不要になり、紙やインクのコストカット、また請求にかかる時間の短縮にもなります。

オン資・オン請求により、業務効率化質の高い医療の提供が実現するなどのメリットがあるんですね。


厚生労働省発表のスケジュールは以下のとおりで、令和6年6月からオン資・オン請求が準備が整った訪問看護ステーションごとに順次始まる予定となっています。

これは、6月に診療報酬改定が行われることが背景となっています。
その後令和6年12月2日に保険証が廃止になるのに合わせ、オンライン資格確認は12月2日から義務化オンライン請求は12月請求分から義務化される予定です。


経過措置について


12月から義務化される予定ですが、やむを得ない事情がある訪問看護ステーションについて、期限付きの経過措置が設けられています。

保険証廃止時点(令和6年12月2日)で経過措置が必要となる場合、事前の令和6年10月31日までに、「医療機関等向け総合ポータルサイト」の届出フォーム(4月頃開設予定)から、訪問看護ステーションごとに猶予届出を届け出ることで、経過措置の対象となることができます。

やむを得ない事情とは、例えばシステム整備中やネットワーク回線の問題、または改築工事が進行中であるなどの理由を指します。それぞれの事情ごとに、遅くとも令和7年6月末までが期限とされています。
つまり開始から概ね1年間、義務化からは半年で導入するよう経過措置がとられています。

詳しくは、こちら(01_留意事項通知案(訪看オン資・オン請求)|厚生労働省)を御覧ください。

厚生労働省発表の、導入に向けた準備作業の概要は次の図のとおりです。

以下に詳しく説明していきます。


必要なもの


新たに用意するもの2つと、必要に応じて用意するもの2つがあります。

オンライン請求ならびにオンライン資格確認を導入するにあたり、オンライン資格確認に対応するOSが搭載された専用端末(パソコン)が必要です。

オンライン請求とオンライン資格確認は、同じパソコン1台で兼用が可能です。
オンライン資格確認用端末として推奨される仕様は、下記のURLをご参照ください。
(参考:オンライン資格確認/オンライン請求用端末において満たすべき要件 (訪問看護ステーション向け)|厚生労働省

端末には、電子証明書、請求システム、資格確認システム、連携・配信アプリのインストールなどセットアップが必要です。

厚生労働省の定めた医療機関向けの「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に準拠しセキュリティが確保されたネットワーク環境を用意する必要があります。
ほとんどのステーションで、現在お使いのインターネット回線を利用して対応することが可能です。

回線の種類は大きく2種類あります。
現状の環境に応じて、新たにルーターの設置や、既存のシステムの改修、レセプト作成ソフト業者との調整が必要になる場合があり、初期費用が必要です。

少しややこしく感じる方もおられると思いますが、導入支援事業者の見積もりや選択になりますので、ご確認ください。

  1. IP-VPN回線

    IP-VPN方式は、閉域網というセキュリティを確保したネットワークを利用して、VPN(インターネット上に仮想的に安全な専用ネットワークを作る技術)を構築する方式です。

    IP-VPN方式は一部の事業者のみが提供しており、今お使いの回線がフレッツ光クロスやフレッツ光ネクスト、ビジネスコミュファ(中部地方)、BBIQ(九州地方)や光コラボ事業者などをご利用の方は基本的にこちらが対応となります。

    基本的にはこれまでの回線使用料以外に月額使用料は不要か、低額です。

    なお、フレッツ利用中でも、環境や上記以外の事業者によっては、フレッツを利用してIPsecトンネル(安全にデータを暗号化するしくみ)を利用するIPsec over IP-VPN接続をとっている場合があります。
    この場合は、サービスを提供している事業者との契約が別に必要になるため、初期費用とこれまでの回線使用料に加え、使用料がかかります(約1,800円〜 6,000円/月)。

  1. IPsec+IKE

    インターネット接続方式(IPsec+IKE)は、インターネット回線を利用してVPNを構築する方式です。通信経路を暗号化して送信することにより、IP-VPN接続と同等のセキュリティを確保します。
    今お使いのインターネットがケーブルテレビや携帯電話会社の光回線をお使いの場合はこちらが適用されます。

    こちらは、月々の回線使用料とプロバイダー料金に加え、上記1のIPsec over IP-VPN同様に使用料が必要です(約1,800円〜 6,000円/月)。
    しかしながらインターネット回線使用料がもともと抑えられているため、コスパが良くないとは一概には言えません。
    例えば富士通の「FENICSⅡ ユニバーサルコネクトアドバンス メディカルVPN接続サービス」では、初期費用・月額使用料とも価格が抑えられていますので、パッケージ商品ではなく独自で回線を導入される場合は検討なさってください。

オンライン資格確認とオンライン請求に対応可能な回線・事業者一覧はこちら(参考:オンライン請求及びオンライン資格確認等システム接続可能回線・事業者一覧表|厚生労働省)を参照してください。


NFC機能(マイナンバーの情報を読み取る機能)がついたモバイル端末が必要です。
お使いのスマートフォンやタブレットがマイナンバー読み取り対応であれば新たに準備する必要はありません。
多くのiPhoneや iPad、Android端末が対応しています。

基本的には現在お使いのもので大丈夫です。
システム改修が必要な場合がありますので、お使いのレセプト作成ソフトベンダーにお問い合わせください。

何したらいい?いくら?まずは見積もり依頼


まずは、①複数の導入支援業者と、②利用中の訪問看護レセプト作成ソフトベンダーに、問合せましょう。


①厚生労働省の示す導入支援事業者5社などの導入支援業者に問い合わせしてみましょう。

各社とも、パッケージ商品(オンライン資格確認のために必要な資格確認端末の搬入・設定、必要なネットワークの敷設などの必要な対応を一括で支援・提供するサービス)の販売予定となっています。
現在の環境によって必要になるものも違い、取り扱い機器の種類を選択できたり、保守サービスなどが含まれているものやオプションがあったりとさまざまです。
小規模ステーション向けのパッケージ商品がある会社もあります。

厚生労働省の資料には触れられていませんが、導入後のランニングコストも気になるところです。
1年はメーカー保証で2年目から必要など、業者により異なります。
月額や年額で必要になるランニングコストも確認しましょう。

ビジネスフォンを利用し独自のサーバーをお持ちなど、現在の環境によってはパッケージ商品ではなくて良い場合もあります。

1月末時点でわかっている導入支援事業者、回線方式、費用は以下の表のとおりです。

事業者名接続方式価格(参考)特記事項
厚生労働省資料に記載の事業者
NTT東日本IP-VPN価格準備中訪問看護ステーション向けページあり
NTT西日本IP-VPN未提供
リコージャパン株式会社IP-VPN(IPsec over IP-VPN)またはインターネットVPN(IPsec +IKE)未提供
株式会社NTTデータ中国IP-VPN(IPsec over IP-VPN)またはインターネットVPN(IPsec +IKE)価格77,000円~429,000円
月額2,190円~3,190円
訪問看護ステーション向けページあり
菱洋エレクトロ株式会社IP-VPN(IP-VPNまたはIPsec over IP-VPN)またはインターネットVPN(IPsec +IKE)未提供
その他の事業者
プラネットワークス株式会社IP-VPN(IPsec over IP-VPN)またはインターネットVPN(IPsec +IKE)386,000円~418,000円(うち年間利用料:66,000円)
価格については一部が未提供または準備中となっており、正確な情報は各事業者に直接確認する必要があります。

(参考:訪問看護事業所、システムベンダ等に対する「オンライン資格確認に係る導入支援サービス」提供業者お問い合わせ先|厚生労働省

②現在使用中のレセプトコンピューター(レセコン)にシステム変更などが必要な場合があるため、レセプト作成ソフトの開発元であるシステムベンダーにも問い合わせ、必要な場合は見積もり依頼をしましょう。

次に訪問看護ステーションの必要な手続き


見積もり内容を確認し決定、発注したら、ステーション側で行う手続きを進めます。

以下のサイトからポータルサイトにアカウント登録します。
ユーザー登録後、医療機関等向け総合ポータルサイトにログインすると、各種申請(利用申請・電子証明書申請)を実施できます。

ユーザー登録選択画面 – 医療機関等向け総合ポータルサイト (service-now.com)

オンライン資格確認利用申請を行います。
申請が完了すると、オンライン請求に関する届出のためのマスタアカウントが発行されます。
以下のサイトから利用申請できます。

訪問看護 – 訪問看護(オンライン資格確認・オンライン請求)の各種申請について (service-now.com)

オンライン請求資格確認利用申請後に発行されたマスタアカウントでオンライン請求利用申請・開始届の手続きをします。

訪問看護 – 訪問看護(オンライン資格確認・オンライン請求)の各種申請について (service-now.com)

電子証明書とは、オンライン資格確認とオンライン請求を行える端末でオンライン資格確認とオンライン請求ができることの証明書で、要するに端末に対する証明書です。
オンライン資格確認・オンライン請求を行う端末に1台にき1通必要で、オンライン資格確認とオンライン請求を同じ端末で行う場合は1通で大丈夫です。

申請方法は、上記①から③の後、ポータルサイトから申請します。
申請すると発行通知書が郵送されますので、発行通知書に記載された、電子証明書のダウンロードに必要なIDなどを用いてダウンロードします。

電子証明書の発行料は、1枚あたり1,500円です。

訪問看護のオンライン請求を開始するための届出については、厚生労働省で現在検討中とのことで未定です。
(現在の医科などのレセプト運用では、「電子情報処理組織の使用による費用の請求に関する届出」および「電子証明書発行依頼書」を、請求開始月の前々月の20日までに審査支払機関に提出する必要があります。)

運用準備


ここまで終われば導入の準備は終わり、運用準備に入ります。

事業者によるセットアップの他には、訪問看護ステーションでの運用準備としてマニュアルの作成などをします。

オンライン資格確認の実際の運用の流れは、現在わかっていることは以下のとおりです。

  1. 初回訪問時に患者にモバイル端末を用いてマイナンバーカードの読み取り、暗証番号を入力していただく
  2. マイナンバーカードの認証はマイナポータルアプリの機能を使用して行う
  3. マイナンバーカードの ICチップ内の利用者証明用電子証明書の確認を行い、オンライン資格確認などシステムに登録されている資格の有無をモバイル端末へ表示する
  4. 訪問看護ステーションに戻り、同意取得済み利用者の最新の資格情報を同意取得日で絞り込んで一括で取得する
  5. 取得した利用者の資格情報をレセプトコンピューターなどに登録すると、2回目以降の資格確認は利用者の個人単位被保険者番号等から最新の資格情報・医療薬剤情報を取得する


訪問看護より先にオンライン資格確認が始まった医療機関・薬局での実際の流れをこちらの動画で確認し、イメージしておくと良いでしょう。

オンライン資格確認医療機関・薬局向け周知動画|厚生労働省



無事導入できたら最後に補助金申請を!期限に注意‼


訪問看護ステーションに義務化となるオンライン資格確認導入に必要な費用を支援するため、事業額42.9万円を上限に実費が補助されます。

補助金財源には、医療におけるICT化を支援する「医療情報化支援基金」が用いられます。

訪問看護ステーションのオンライン資格確認等導入に係る補助金申請については、令和6年11月30日までに導入完了し、令和7年5月31日までに申請すれば、補助金交付の対象となります。

補助金を受ける条件は期限付きで、11月中に導入が完了している必要がありますのでご注意ください。

補助の対象となるのは、以下の5項目です。

  • オンライン資格確認の導入に必要となる資格確認端末(電子証明書を含む)の購入
  • レセプトコンピューターに組み込むパッケージソフトの購入(基礎的 費用以外のカスタマイズ費用は除く)
  • オンライン請求回線初期導入(回線の帯域増強 やISDNからの切り替えを含む)
  • オンライン請求回線の帯域増強、オンライン資格 確認の導入に必要となるレセプトコンピューターなどの既存システムの改修(ネットワー ク整備などに係る経費、薬剤情報及び特定健診情報の閲覧のための改修に係る経費を含 む)
  • オンライン資格確認を行うためのモバイル端末の購入およびオンライン資格確認等の導入に附随する訪問看護ステーションへの実地指導など

補助金申請には、領収書と領収書内訳書が必要です。必ずとっておきましょう。

補助金申請は、ポータルサイトから行えます。
詳しい手順などは、ポータルサイトの訪問看護関係補助金の申請をご覧になってください。

訪問看護ステーションのオン請求・オン資についてよくある質問をまとめました。

Q 利用者がマイナンバーカードを取得していない場合は?


⇒現行の健康保険証または資格確認書※(令和6年秋の保険証廃止以降)により資格確認を行います。
※資格確認書は、マイナ保険証を保有していない方全てに対して、当分の間、申請によらず交付する予定です。

Q 利用者がマイナンバーカードの4桁の暗証番号を忘れてしまった場合は?


⇒以下の3ついずれかの確認による対応が可能です。

  • 現行の健康保険証または資格確認書
  • マイナンバーカードと資格情報のお知らせ※
    ※今後保険者から加入者に通知するものとして検討
  • マイナポータルで確認できる資格情報の確認

なお、本人確認方法を顔認証または目視確認に限定し暗証番号の設定を不要とした顔認証マイナンバーカードは、マイナポータルでは利用できないため、訪問看護におけるオンライン本人確認ができません。

令和6年秋から義務化となる訪問看護のオンライン資格確認とオンライン請求。
1月末時点でわかっていることをまとめました。

診療報酬の改定や健康保険証の廃止のタイミングに合わせて、後付けで制度が準備されているため、まだ全体のイメージができるところまでは決まっていないこともおわかりいただけたかと思います。
実際の運営方法やソフトの変更などがこれから順次整備されていきますので、今後も情報をチェックする必要があります。

訪問看護ステーションは、情報を集めながら、まずはできることから進めていきましょう。

 





えがおDE看護は”電子カルテ機能”と”レセプト請求機能”に特化して、25年現場の声や複雑な制度に対応し続 けているので、訪問看護ステーション業務をお任せできます。

管理者の本来の使命であるステーション運営を通じた「良質な看護サービスの提供」 に当たり前に集中できる 毎日を実現します。是非お問い合わせください。

最後までお読みくださりありがとうございました。

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