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訪問看護の緊急時加算とは?複雑な医療保険・介護保険の緊急時加算について、わかりやすく解説します!

訪問看護の緊急時加算とは?複雑な医療保険・介護保険の緊急時加算について、わかりやすく解説します!

目次

「緊急時加算って、医療保険と介護保険でどう違うの?」
「緊急時加算の要件は?」

訪問看護ステーションでは、緊急の相談や予定外の訪問依頼に応じる場面は少なくありませんよね。
しかしながら、加算名もややこしい上、要件もわかりにくいと感じる方もおられると思います。

今回は、訪問看護における緊急時の加算について解説します。
ぜひ最後まで読んで、緊急時の加算についての理解を深めてください。

緊急時訪問体制の重要性


厚生労働省の調査によると、利用者が訪問看護に求めるもので最も多いのは「24時間対応」です。(参考:厚生労働省 H26年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査

また実際に緊急訪問を受けた利用者家族の調査では、緊急訪問が家族の不安軽減となっていることが明らかにされています。(参考:訪問看護と介護 16巻12号 (2011年12月発行):独居多系統萎縮症男性の在宅生活継続の要因―病状の進行に伴う生活環境の対応

これらのことから、利用者が安心して在宅療養できるよう支えるためには緊急訪問体制の確保が重要であるとわかります。

どのような状況で緊急時加算がとれるの?


緊急訪問看護の実態調査によると、緊急訪問の依頼内容は身体症状に関するものが7割とほとんどです。ついで、医療デバイストラブル(点滴、カテーテル関連等)、転倒転落介護(生活援助、身体援助等)、内服関連です。(参考:田中ら 日本在宅医療連合学会誌第3巻・第1号2022年2月

電話相談の実態調査によると、脳神経疾患とがん末期の利用者で身体症状に関する相談が最多となっており、病状の不安定さや本人・家族の不安の大きさが関係していると推察できます。
医療処置の相談では、経管栄養を実施している家族からの相談件数が多く、経管栄養に伴うトラブルの多さがうかがえます。(参考:森田 日本看護研究学会雑誌 Vol. 36 No. 2 2013年

緊急訪問の加算状況と今後について


緊急時訪問看護(介護保険)の加算状況は以下のとおりです。

在宅における医療ニーズの高まりに伴い24時間の対応が求められており、緊急時訪問看護加算の届出をしている事業所数は増加傾向にあります。
算定事業所の割合は8割以上と、ほとんどの事業所が緊急時訪問看護加算を算定しています。


次に、訪問看護における24時間体制と緊急訪問の状況は以下のとおりで、実際に緊急訪問をしているのは緊急訪問加算に同意している利用者のうち12%〜15%(利用者全体の8%)ほどで、1人あたりの緊急訪問利用回数は3回以上となっています。

このことから、実際に緊急の訪問を必要とする方は1割ほどと多くはありませんが、必要とする方には複数回緊急訪問をしている実態がわかります。


続いて、電話相談の状況について以下のとおりです。

時間外の電話相談は1事業所あたり16.7回/月あり、特に小規模のステーションで1人でのオンコール体制をとっている場合などでは看護師への負担が大きいことがわかります。

多くは体調(病状)に関する相談であり、体調面や医療処置に関するものなど緊急訪問を含め対応を要するものがあります。一方で訪問日時の確認や変更など、必ずしも即時的な対応を要さないと考えられるものもあります。

24時間体制の確保において看護職員の身体的・精神的負担が課題となっており、令和6年度の診療・介護報酬ダブル改定に向け、厚生労働省にて以下の対応案が示されています。

同一訪問看護事業所において、緊急訪問の必要性の判断を看護師等が速やかに行えるよう、看護師等に連絡できる体制が整備されているなど適切なサービス提供体制が確保されている場合には、看護師等以外の職員も利用者または家族などからの電話連絡を受けられるようにしてはどうか。

 24時間対応を確実に機能させる観点から、持続可能な体制に資する取組が行われている場合について評価してはどうか。

それぞれのステーションでは、ICTの活用や夜間対応した翌日の勤務体制の調整など、負担軽減の取り組みが工夫されています。
今後さらに、複数の事業所が連携して対応する体制の構築などが政府に求められています。

利用者や家族からの相談に24時間対応できる体制を評価する加算を、介護保険では「緊急時訪問看護加算」、医療保険では「24時間対応体制加算」といいます。どちらも1ヵ月につき1回加算できるものです。
さらに医療保険では、利用者の求めに応じて医師の指示で緊急訪問する場合に「緊急訪問看護加算」を1日につき1回限り加算できます。

緊急時訪問看護加算・24時間対応体制加算・緊急訪問看護加算の違い


加算の名前が似ていてややこしく感じますが、それぞれの加算の違いがわかりやすいよう以下の図に示します。

この図からもわかるように、緊急時加算では、医療保険の診療報酬の方が介護保険の介護報酬よりも、体制について、また訪問自体も評価が高くなっています。
今後の介護報酬の見直し(=引き上げ)についての提言がなされています。

それでは、それぞれ3種類の加算について詳しくみていきましょう。

緊急時訪問看護加算 574単位/月

緊急時訪問看護加算は、利用者またはその家族などから電話などにより看護に関する意見を求められた場合に常時対応できる体制を評価する加算です。

算定要件は以下のとおりです。

計画的に訪問することとなっていない緊急時訪問を行う場合に、当該加算を算定することを利用者または家族等に説明し、同意を得た場合に月1回加算できます。

事前に事業所の所在する都道府県(市町村)への届け出が必要です。

留意点は以下のとおりです。

1人の利用者に対し、1カ所のステーションに限り算定できる。

月の途中からでも算定が可能だが、月の途中までしか体制を提供することができな かった場合は算定できない。


Q 月の2回目以降の緊急時訪問では加算は算定できるの?


⇒1ヶ月以内の2回目以降の緊急時訪問については、夜間・早朝・深夜の訪問看護に係る加算を算定できます。(月の1回目の緊急時訪問は、夜間・早朝・深夜であっても夜間・早朝・深夜の加算は算定できません。)

Q リハビリのみの利用の場合、緊急時訪問看護加算は算定できるの?


⇒リハビリのみの利用の場合、一般的には緊急時訪問看護加算は算定できないと考えられます。
その理由は、理学療法士、作業療法士、または言語聴覚士による訪問看護は、その訪問が、看護業務の一環としてのリハビリテーションを中心としたものである場合に、看護職員の代わりに訪問させる位置づけであるからです。
あくまでも、看護業務の一部であることから、理学療法士が所属する訪問看護ステーションの看護師による利用者の状態に合わせた定期的な訪問が必要です。

厚生労働省によると、リハビリのみの利用の場合も、初回と、その後「少なくとも概ね3ヶ月に1回程度は当該事業所の看護職員による訪問により、利用者の状態の適切な評価を行うものとする。」と示されています。

実際には利用者の心身の状態把握などのためにも1ヶ月に1回は看護師による訪問を計画に組み込んでいるステーションが少なくありません。
そういった計画のもとでは訪問看護緊急時加算がとれ、ひいては実際利用者の急変時にも責任を持って対応することにつながるでしょう。

Q 緊急時訪問看護を行った場合はケアプランの変更が必要?


⇒緊急時訪問看護を行った場合は、当該訪問の所要時間に応じた所定単位数を算定しますので、居宅サービス計画の変更が必要となります。
ケアマネジャーと十分に連携を取りましょう。

Q 緊急時訪問看護だけのサービス利用はできる?


⇒緊急時訪問看護加算のみの算定はできません。緊急の場合のみ利用したいと希望されても、月1回以上の訪問を居宅サービス計画に組み込むことが必要です。

Q 月の1回目の訪問が緊急時訪問でも算定できるの?


⇒緊急時訪問看護加算は、月の1回目の介護保険の給付対象となる訪問看護を行った日に加算されるため、1回目の訪問が訪問看護計画に位置付けられていない緊急時訪問である場合にも加算できます。(当該月に介護保険の給付対象となる訪問看護を行っていない場合は加算のみを算定することはできません。)

24時間対応体制加算 6,400円/月

24時間対応体制加算は、利用者またはその家族などから、営業時間外でも電話などにより看護に関する意見を求められた場合、常時対応できたり、必要時の緊急時訪問看護ができる体制を評価する加算です。

算定要件は以下のとおりです。

訪問看護ステーションの保健師、看護師が利用者に当該体制について説明し、同意を得た場合に、月1回に限り加算できます。

事前に地方厚生(支)局支局長への届け出が必要です。


留意点は以下のとおりです。

1人の利用者に対し、1カ所の事業所に限り算定する。

説明に当たっては、名称・所在地・電話番号・時間外および緊急時の連絡方法を記載した文書を交付する。

24時間対応を実施した場合には、その内容を訪問看護記録書に記録する。

連絡相談を担当する者は、原則として、当該訪問看護ステーションの保健師又は看護師とし、勤務体制を明確にする。ただし、機能強化型訪問看護管理療養費3の届出を行っている場合は、併設する保健医療機関の看護師が営業時間外の電話対応をしても良いが、緊急訪問を行う場合は当該訪問看護ステーションの看護師等が行う。

特別地域だけでなく、医療資源の少ない地域に所在する訪問看護ステーションの他に、令和4年の改定により、業務継続計画を策定した上で自然災害等の発生に備えた地域の相互ネットワーク * に参画している訪問看護ステーションにおいても、 2つの訪問看護ステーションが連携することによって当該加算に係る体制にあるものとして、地方厚生(支) 局長に届け出た訪問看護ステーションが算定できる。ただし、24時間対応体制加算は1人の利用者に対し、1つの訪問看護ステーションにおいて一括して算定する。

*自然災害等の発生に備えた地域の相互ネットワークとは、 次の3つに該当するものです。
 都道府県、市区町村又は医療関係団体等が主催する事業である 
自然災害や感染症等の発生により業務継続が困難な事態を想定して整備された事業 
都道府県等が当該事業の調整等を行う事務局を設置し、 当該事業所に参画する訪問看護ステーション等の連絡先を管理していること

緊急訪問看護加算 2,650円 

緊急時訪問看護加算は、訪問看護計画に基づき定期的に行う訪問看護以外で、利用者や家族などの緊急の求めに応じて、診療所または在宅療養支援病院の主治医の指示により、連携する訪問看護ステーションの看護師等が訪問看護を行った場合に、1日につき1回に限り加算できます。
訪問後、速やかに主治医に報告します。

留意点は以下のとおりです。

緊急の指定訪問看護を行った訪問看護ステーションが、24時間対応体制加算を届出ていない場合または利用者に対して過去1ヶ月以内に指定訪問看護を実施していない場合は算定できない。

診療所または在宅療養支援病院が、24時間往診および訪問看護により対応できる体制を確保し、連絡先、氏名などを利用者に文書で渡している利用者に限る。


Q 同じ日に2ヶ所目の訪問看護ステーションが緊急訪問した場合は?


⇒複数の訪問看護ステーションから訪問看護を受けている利用者に対し、いずれかが計画に基づく指定訪問看護を行った同一日にその他の訪問看護ステーションが、緊急の指定訪問看護を行った場合は、緊急訪問看護加算のみを算定できます。

その要件は、以下の通りです。

  • 加算の対象者(複数の訪問看護ステーションを利用できる対象者)
     厚生労働大臣が定める疾病等の利用者又は特別訪問看護指示書交付対象となった利用者であって、週4日以上の指定訪問看護が計画されている者
  • 算定できる2ヵ所目の訪問看護ステーションの施設基準
     ①24時間対応体制加算を届け出ていること
     ②緊急訪問看護加算の算定日前1月間に、訪問看護を実施していること(訪問看護基本療養費を算定していること)

Q 緊急時訪問看護加算(介護保険)と24時間対応体制加算(医療保険)どちらが優先されるの?


⇒月の途中で適用される保険が変更になった場合は、当該月の初回の訪問時の保険が適用されます。

今回は、介護保険と医療保険それぞれの緊急時の訪問看護と加算について解説しました。

医療ニーズの高まりとともに、今後も24時間対応できる体制への需要増加が予想されます。
それに伴い、政府には、看護職員の心身の負担が大きくなっている課題の改善が求められています。
利用者や家族が安心して在宅生活を送れるよう、また地域に求められる訪問看護ステーションに成長するよう、ぜひこの記事で理解を深めてくださると幸いです。

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最後まで読んでくださってありがとうございました。