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オンライン請求も安心! 訪問看護の医療保険レセプト記入例|令和7年度版対応マニュアル

オンライン請求も安心! 訪問看護の医療保険レセプト記入例|令和7年度版対応マニュアル

公開:

2025年1月17日

更新:

2025年1月28日

訪問看護ステーションの管理者のみなさま、医療保険レセプトの作成に不安を感じていませんか?特に小規模ステーションでは、専任の事務職員を置くことが難しく、看護師などの管理者が請求業務も担当されているケースが多いのが現状です。

この記事では、訪問看護療養費明細書の具体的な記入例をもとに、オンラインでの医療保険レセプトの作成手順を分かりやすく解説します。

 

【この記事で分かること】

  • 令和6年度改定に対応した、訪問看護療養費明細書の正しい記入方法
  • 返戻を防ぐための具体的なチェックポイントと対策
  • よくある記入ミスとその解決方法

 

ぜひ最後まで読んで、実際の請求業務にお役立てください。

 

訪問看護レセプトの基本についてはこちらの記事をご覧ください。
≫【実務者必見】訪問看護レセプト業務の基本と対策|効率化と請求ミスゼロへ

 

目次

訪問看護の医療保険レセプト:コードのしくみと記入例


訪問看護ステーションにおけるオンライン請求(医療保険分)とオンライン資格確認は、令和6年6月(オンライン請求は令和6年7月請求分)から開始となり、令和6年12月2日(オンライン請求は令和6年12月請求分)から義務化となりました。

訪問看護のレセプトのオンライン化では、利用者ごとの診療内容や請求情報をパソコン上でデータとして扱います。このデータは『レコード』(データの識別情報)や『コード』(請求内容を示す番号)といった形で整理され、CSV形式というファイルにまとめられます。このファイルをインターネットを通じて送信することで、紙の書類や手作業が減り、効率的に処理が進むようになります。

訪問看護の医療保険レセプトで使用するコードについて、具体的なコード配列例とともに解説します。



電子化レセプトは、情報を整理して送るために「識別レコード」と「情報コード」の組み合わせで成り立っています。

  1. 識別レコード
    どの情報を記録しているかを表すもので、情報の種類を区別する「ラベル」のような役割を果たします。
    例:
    • HM:訪問看護ステーション情報
    • RJ:利用者情報
    • KA:訪問看護費用の詳細情報
  2. 情報コード
    各識別レコードに記載される具体的な情報の中身をコード化したものです。数字や記号で内容を簡潔に表します。




以下の実例を使って、医療保険レセプトで使用される実際のコードの読み方を確認していきましょう。コードを理解することで、入力ミスの防止や返戻時の原因特定がスムーズになります。

例1: HM,1,13,6,0123456,訪問看護ステーション○○○,202407,03-1234-5678

  • HM:訪問看護ステーション情報レコード
  • 1:審査支払機関コード
  • 13:都道府県コード
  • 6:訪問看護の点数表コード「6」統一
  • 0123456:ステーションの識別番号
  • 訪問看護ステーション○○○:訪問看護ステーション名称
  • 202407:請求年月情報(2024年7月)
  • 03-1234-5678:電話番号(ハイフンあり)



例2: KA,20250626,1,510000110,,5550,03,01,01

  • KA:訪問看護療養費レコード
  • 20240626:算定年月日
  • 1:負担区分(医保・国保と公費の単独か併用か)
  • 5100000110:訪問看護療養費コード
  • 空白:きざみ値計算識別(実質0=空白)
  • 5550:金額
  • 03:職種(職種と、同日何回目訪問かによって異なる)
  • 01:同日訪問回数
  • 01:指示区分(指示書の種類)


なおこれらのコードは、訪問看護ソフトに入力した情報が自動的にコード化されるようになっていますので、覚える必要はありません。




訪問看護療養費明細書(様式4)のオンライン請求の場合の具体的な記入例について、わかりにくいポイントにしぼって解説します。

以下の画像は、オンライン請求を行う訪問看護レセプトを紙出力した場合の記入例です。赤字は、対応する識別レコードを示しています。

※都道府県により様式が異なる場合があります。

訪問看護レセプトを紙出力した場合の記入例
(出典:厚生労働省「訪問看護レセプト(医療保険請求分)の電子化に関する情報」より「別紙3 支払基金において電子レセプトから出力紙レセプトを作成する場合の印字仕様」)


保険種別欄


保険(制度)、公費負担医療、本人家族の該当が表示されています(画像黄色囲み部分)。訪問看護ソフトへの入力を間違えていると、エラーが表示されたり、返戻になってしまいます。

パターン保険種別1保険種別2本人・家族
国保・社保単独(高齢受給者以外)1 社保・国保1 単独「2 本人」「4 六歳」「6 家族」のいずれか
国保・社保単独(高齢受給者)1 社保・国保1 単独「8 高齢ー」「0 高齢7」のいずれか
国保・社保単独(高齢受給者以外)と公費の併用1 社保・国保「22 併」または「33 併」「2 本人」「4 六歳」「6 家族」のいずれか
国保・社保単独(高齢受給者)と公費の併用1 社保・国保「22 併」または「33 併」「8 高齢ー」「0 高齢7」のいずれか
生活保護受給者2 公費1 単独「2 本人」
生活保護受給者(他の公費の併用)2 公費「22 併」または「33 併」「2 本人」「4 六歳」「6 家族」のいずれか
後期高齢者医療単独3 後期1 単独「8 高齢ー」「0 高齢7」のいずれか
後期高齢者医療と公費の併用3 後期「22 併」または「33 併」「8 高齢ー」「0 高齢7」のいずれか
退職者医療単独(高齢受給者以外)4 退職1 単独「2 本人」「4 六歳」「6 家族」のいずれか
退職者医療単独(高齢受給者)4 退職1 単独「8 高齢ー」「0 高齢7」のいずれか
退職者医療単独(高齢受給者以外)と公費の併用4 退職「22 併」または「33 併」「2 本人」「4 六歳」「6 家族」のいずれか
退職者医療単独(高齢受給者)と公費の併用4 退職「22 併」または「33 併」「8 高齢ー」「0 高齢7」のいずれか


特記事項欄


特記事項欄(画像黄色囲み部分)に記載される項目は以下の表のとおりです。

特記事項内容
1 他1利用者が別表7・8に該当し、ほかの1つ(または2つ)の指定訪問看護ステーションから指定訪問看護を受けている場合、1つ目の訪問看護ステーションの所在地および名称を記載。
2 他2ほかの2つの指定訪問看護ステーションから受けている場合、2つ目の訪問看護ステーション所在地および名称を記載。
3 従従たる事業所(サテライト)から指定訪問看護を行った場合。
4 特地特別地域訪問看護加算を算定時。利用者の住所と通常の場合に要する時間(片道)を入力。
5 介要介護被保険者などで、訪問看護を医療保険で算定している場合。
6 支援在宅療養支援診療所または在宅療養支援病院が、24時間対応体制および訪問看護により対応する体制を確保し、在宅担当医や訪問看護担当責任者、担当日などを文書により提供している利用者の場合。
7 同一緊急複数の訪問看護ステーションから指定訪問看護を受けている利用者に対し、一つ以外の訪問看護ステーションが緊急訪問看護加算または精神科緊急訪問看護加算のみを算定した日、当該加算を算定した日、当該加算を算定した日の直前に訪問看護(精神科訪問看護基本療養費)を算定した年月日、指定訪問看護を行った当該他の訪問看護ステーションの所在地を記載。
8 退支退院支援指導加算を算定した場合、利用者が退院日の翌日以降の初回の指定 訪問看護が行われる前に再入院した場合、再入院年月日を記載。
9 連看護・介護職員連携強化加算を算定する場合に、提供日を記載。
10 緊急訪問看護の理由緊急訪問看護加算または精神科緊急訪問看護加算を算定した場合、緊急訪問看護を実施した日と緊急訪問看護の理由を記載。
11 障害(新規追加項目)


訪問看護の医療保険レセプト:よくある記入ミスと具体的な対策


医療保険レセプトの返戻を防ぐため、特に注意が必要なポイントと対策を解説します。



  • よくあるケース
    • 後期高齢者の保険者番号・被保険者番号の入力漏れ
    • 後期高齢者の年齢であるにもかかわらず、保険種類で社保や国保を選択
  • 対策
    • 入力時の保険証の再確認
    • 月初めの患者情報の定期確認




  • よくあるケース
    • 算定要件を満たしていない加算の請求
    • 同一日に算定できない組み合わせの重複請求
  • 対策
    • 算定要件のチェックリスト活用
    • レセプト提出前の算定要件確認




  • よくあるケース
    • 全角/半角の誤入力
    • 数字「0」とアルファベット「O」、数字「1」とアルファベット「l」の混同
    • 文字数制限超過
  • 対策
    • 入力ルールの明確化と周知
    • 入力後の読み合わせ確認




  • よくあるケース
    • 緊急訪問看護加算の訪問理由未記載
    • GAF尺度判定日の記載漏れ
    • 心身の状態の記載不足
  • 対策
    • 必須記載事項チェックリストの活用
    • 複数人によるクロスチェック


心身の状態欄の書き方については、こちらの記事をご覧ください。≫訪問看護レセプトの心身の状態欄はこう書く!管理者必見の記入例と実践テクニック【2025年度版】




レセプトの返戻を減らし、請求業務をスムーズに行うために、以下の予防策を積極的に取り入れましょう。具体的な対策を立てることで、ミスの発生を未然に防ぎ、効率的な運営を目指せます。

  1. ダブルチェック体制の構築
  2. 過去の返戻事例の共有と分析
  3. 定期的なスタッフ研修の実施


ミスを減らすための詳しい対策については、こちらの記事をご覧ください。≫【実務者必見】訪問看護レセプト業務の基本と対策|効率化と請求ミスゼロへ


請求業務が正確でないと、返戻の対象となり支払い遅延や未払いが生じキャッシュフローに悪影響を及ぼします。また繰り返しミスがあると、保険者からの信頼を失い監査や指導の対象となるでしょう。さらに、修正作業に時間を取られることで本来の看護業務に集中できなくなり、サービスの質の低下や業務効率の悪化し、ステーション運営に悪影響を及ぼすことになります。

訪問看護ソフト『えがおDE看護』は、複雑な制度・請求の情報をシステム内で自動反映し、データチェックを行うため、ご自身で調べたりチェックする必要がなく、請求ミスを防ぐことが可能です。

  1. 簡単な自動反映機能
  • 訪問看護療養費明細書の「特記」「一部負担金額」「一部負担金区分」の記載もご自身で調べる必要なく自動判断・自動計算・自動記載
  • 都道府県毎に異なる福祉医療費の優先順・自己負担限度額有無を自動判断・自動計算・自動記載
  1. 正確なデータチェック機能
  • システム内でエラーの有無やエラーの原因を確認でき、簡単に修正が可能
  • データチェック機能で入力漏れや、保険種類・公費の組合せ間違いを防止

訪問看護ソフト『えがおDE看護』で請求業務の効率化と正確性を向上し、本来の使命であるステーション運営を通じた「良質な看護サービスの提供」に当たり前に集中できる環境を実現しましょう。
ご興味のある方はぜひ一度お気軽にお問合せください。

まとめ


訪問看護の医療保険レセプト作成は、オンライン請求の義務化により、正確な入力がより重要になっています。小規模ステーションでは、専任の事務職員を置くことが難しく、看護師が請求業務も担当するケースが多いため、入力時の確認が欠かせません。

保険情報の確認から必須事項の記載まで、一つひとつ丁寧な確認を心がけ、訪問看護ソフトを活用しつつ、スタッフ全員での情報共有を進めることで、返戻のない円滑な請求業務が実現できます。

最後までお読みくださりありがとうございました。

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