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【2026年改定】訪問看護の賃上げ(1.8%)は介護職員とどう違う?増収シミュレーションと配分戦略

【2026年改定】訪問看護の賃上げ(1.8%)は介護職員とどう違う?増収シミュレーションと配分戦略

公開:

2026年2月13日

更新:

2026年2月13日

ニュースで介護職員、月額1.9万円の賃上げという見出しを見て、「おっ、ウチも対象かな?」と期待した管理者の方も多いのではないでしょうか。

一方で、「また制度が変わるのか…計算や手続きが面倒なら、今回も見送りかな」という複雑な心境かもしれません。

 

結論から言うと、訪問看護はこの1.9万円の直接的な対象ではありません(別枠です)。

ただ、訪問看護には独自の賃上げのしくみ(介護報酬1.8%+診療報酬改定)があります。

 

本記事では、分かりにくい施設系との違いを整理した上で、あなたのステーションに実際いくら入るのか?という増収シミュレーショと、持続可能な経営のための配分戦略を解説します。

 

▼制度の仕組みや、細かい申請手続きについて知りたい方はこちら

[全体の改定内容を知りたい] 【2026年介護報酬改定】決定!訪問看護等への「新・処遇改善加算」新設と単位数・要件の完全解説

[申請手続き・要件を知りたい] 【速報・図解付】訪問看護の処遇改善加算2026&緊急補助金|連携サービスへの影響まとめ

 

※本記事は2026年1月30日時点の情報に基づいています。

目次

介護職員(1.9万円)と訪問看護(1.8%)の決定的な違い


まず、介護職員(施設系)との違いを解説します。

政府が想定している「月額1.9万円(6.3%)の賃上げ」は、主に施設・居住系の介護職員を対象とした目標値(ベースアップ+上乗せの2階建て構造)です(参照:厚生労働省『令和8年度介護報酬改定について』)。

訪問看護の賃上げ原資は、以下の2つの改定から確保されます。

  • 訪問看護(介護保険): 新設の加算率 +1.8%(参照:同上)
  • 訪問看護(医療保険): 診療報酬改定(プラス改定の見込み)



このように、「医療と介護の両面から賃上げ原資が確保される」のが訪問看護の最大の特徴です。

【早見表】あなたのステーションはいくら増える?(収益シミュレーション)


「+1.8%(介護分)」で具体的にいくら増収になるのか、自社の売上規模に応じた具体的な増収額をシミュレーションします。

介護保険の報酬のみである点に注意してご覧ください。



介護保険分の売上がいくらかを確認してから当てはめてみてください。

介護保険分の月商
(医療分は除く)
増収額(月額)増収額(年額)
200万円約 3.6万円約 43万円
300万円約 5.4万円約 65万円
400万円約 7.2万円約 86万円
500万円約 9.0万円約 108万円
600万円約 10.8万円約 130万円
※地域区分単価等により若干変動します。




例えば、月商(介護分)300万円で看護師・療法士が常勤換算5名いる小規模ステーションの場合、

54,000円 ÷ 5名 = 10,800円

単純計算で、スタッフ1人あたり月額約1.1万円の資源が生まれる計算になります。

(※これに医療分の賃上げが加わります)

「月1万円ちょっとか、意外と少ないな」と思われましたか?

しかし、年収ベースで考えれば約13万円のアップです。ここに医療保険分の増収も加われば、さらに大きな原資になります。

一度上げたら下げられない?失敗しない「賃上げ配分」の3つの型


経営者として一番怖いのは、「一度上げた給料は、簡単には下げられない(不利益変更の禁止)」ことではないでしょうか。

物価が上昇する中、もし将来、加算が廃止されたり、売上が下がったりした時のことを考えると、少し慎重になるのは当然です。

ここでは、リスクとメリットを比較した3つの配分パターンをご紹介します。



毎月の「基本給」を底上げする方法です。

具体的なメリット・デメリットは以下のとおりです。

  • メリット:
    • スタッフの安心感が最も高い。
    • 求人票の「基本給」欄が高くなり、見栄えが良い。
    • 賞与や退職金の算定基礎も上がるため、スタッフへの恩恵が最大。
  • デメリット:
    • 一度上げると下げるのが極めて困難。
    • 経営が悪化しても固定費として重くのしかかる。




「処遇改善手当」や「特定処遇手当」などの名目で、基本給とは分けて支給する方法です。(★おすすめ)

特徴は以下のとおりです。

  • メリット:
    • 「加算があるから支給されるもの」という紐付けが明確。
    • 万が一、制度が変わって加算がなくなった場合、説明の上で変更しやすい(就業規則への記載は必要)。
  • デメリット:
    • 賞与の計算対象にならない場合がある(規定による)。




毎月の給与は変えず、夏・冬の賞与や決算賞与で支給する方法です。

それぞれの特徴を見てみましょう。

  • メリット:
    • 経営リスクが最も低い(業績連動させやすい)。
  • デメリット:
    • 求職者へのアピールが弱い(月給が安く見える)。
    • 「毎月の生活が楽になった」という実感が薄い。




小規模ステーションの経営者におすすめなのは、「②手当型」をベースにしつつ、余剰分を「③一時金」で調整するスタイルです。

例えば、月額1.1万円の原資があるなら、以下のように配分します。

  • 月々: 「処遇改善手当」として 0.6万円 支給
  • 賞与時: プールしておいた残りを一時金として 3.0万円(半年分)支給


これなら、毎月の給与アップを実感してもらえつつ、残りの金額で事業所の業績変動などのリスクヘッジも可能です。

【採用戦略】ハローワークなどの求人票を更新する


今回の賃上げ(介護職員等処遇改善)は、今いるスタッフのためだけではありません。採用における武器になります。

しかし、多くのステーションが「賃金改善計画書」を役所に提出した後、肝心の求人票の書き換えを後回しにしています。これは大きな機会損失です。



求職者が比較するのは、近隣のステーションです。

隣が「月給30万円」で、あなたの事業所が「月給31万5,000円(処遇改善手当込)」なら、求職者の目に留まる確率は高まります。



具体的には、以下の2点を修正してください。

  1. 「処遇改善手当」を明記する
    • 備考欄に小さく書くのではなく、「手当」の欄にハッキリと金額(予定でも可)を書きましょう。
  2. 備考欄で「将来性」をアピールする
    • NG例:「処遇改善加算取得予定」
    • OK例:「2026年度より処遇改善加算を取得し、全スタッフのベースアップを実施します(月額1〜2万円想定)。長く安心して働ける環境です


特に、これまで加算を取っていなかった小規模ステーションこそ、「変わろうとしている」「働きやすくなっている」という変化をアピールするチャンスです。

事務作業を「コスト」から「投資」に変える考え方


最後に、事務負担の考え方について解説します。

今回の加算を取るためには、「ケアプランデータ連携システム」の導入(または導入の誓約)」が要件となる見込みです。

「たった月数万円の加算のために、新しいシステムを入れるなんて面倒くさい…」

そう思われるかもしれませんが、経営的な視点で計算してみましょう。

収支を比較すると、以下のようになります。

  • 加算による増収 : 年間 約65万円(月商300万の場合)
  • システムのコスト : 年間 数万円(キャンペーン活用なら0円も)


差し引きしても、年間60万円以上のプラスです。

さらに、データ連携によって毎月の「FAX送信・確認・再送」の手間がなくなれば、管理者であるあなた自身の時間も生まれます。

この生まれた時間を、営業(ケアマネへの挨拶回り)や、スタッフとの面談に使えたらどうでしょうか?

今回の加算取得にかかる手間は、単なるコストではなく、事業所先を見据えた持続可能な経営にするための「投資」です。



今回の改定では、居宅介護支援事業所も同じくデータ連携が賃上げの要件になっています。

つまり、地域のケアマネジャーたちも、FAXをやめ、データでやり取りできるようになります。

いち早く「うちはデータ連携に対応しました!」と手を挙げることは、ケアマネに対するアピール(営業)になります。

まとめ


2026年の賃上げ(処遇改善加算)は、単なる給与アップの制度ではありません。

リスクを抑えながら待遇を良くし、良い人材を採用し、業務効率化まで進めるための施策です。

まずは、以下の4ステップで進めてみましょう。

  1. 試算する : 自社の売上でいくら入るかを確認する。
  2. 設計する : 「手当」中心に設計し、無理のない配分を決める。
  3. アピールする : 求人票を書き換え、採用の武器にする。
  4. 投資する : 得られた原資の一部でデジタル化を進め、効率化する。


まずは、顧問の社労士や税理士に相談するところから始めてみてください。

その一歩が、ステーションの経営改善のスタートになります。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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