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【2026年度】訪問看護の診療報酬改定まとめ|スケジュールと賃上げ・DXへの影響

【2026年度】訪問看護の診療報酬改定まとめ|スケジュールと賃上げ・DXへの影響

公開:

2026年2月26日

更新:

2026年2月26日

「また改定の時期か…」とため息をついている管理者の方も多いのではないでしょうか。
特に2024年の医療・介護のダブル改定後、現在は緊急の介護報酬の賃上げ対応に追われている真っ最中かもしれません。現場の疲弊感が心配になるのはよく理解できます。

 

▼今まさに対応すべき介護報酬の処遇改善(賃上げ)についてはこちら

【速報・図解付】訪問看護の処遇改善加算2026&緊急補助金|連携サービスへの影響まとめ

 

しかし、今回の2026年度診療報酬改定は、今までとは少し様子が違います。単なる点数の上げ下げではなく、現場のスタッフを守るための賃上げ業務を楽にするためのDXに、今までより大きく予算が充てられます。

 

この流れに乗り遅れると、採用競争で負けることになりかねません。逆に言えば、今回の改定を機に仕組みを整えれば、ステーションの経営はこれまで以上に安定します。

 

この記事では、忙しい管理者の方に向けて、2026年改定のこれだけは知っておくべきポイントを整理しました。ぜひ最後まで読んで、ステーション運営に役立ててください。

目次

2026年度診療報酬改定の概要とスケジュール


2026年度改定は、前回に続き医療DX処遇改善(賃上げ)が大きな柱となります。

全体改定率は +3.09%(うち賃上げ分+ 1.70%)と、前回より手厚い改定となる予定です。6月施行となるスケジュールと、具体的な数字を解説します。



今回の改定率は、全体で +3.09% です。

この数字は、過去の改定と比較しても異例の高さです。前回(2024年度)の医療改定率は+0.88%でしたので、今回はその約3.5倍という規模です。

その内訳は以下のとおりです。

項目改定率意味
全体改定率+3.09%診療報酬全体のプラス幅
賃上げ対応分+1.70%医療従事者(看護師等)のベアアップに限定した予算


これは、物価高に負けない賃上げを医療現場でも実現するのが目的です。

介護職員処遇改善加算で介護側の賃上げが先行していましたが、2026年は医療保険側でも本格的な賃上げが行われます。医療依存度の高い利用者が多いステーションは、この影響を大きくに受けることになります。


スケジュールの変更点(6月施行)


2024年改定同様、施行時期は 6月1日 です。

主なスケジュールは以下のとおりです。

時期アクション
〜2026年3月詳細情報の発表(告示・通知)
ここで具体的な点数が確定します。
4月〜5月準備期間
・レセコンのアップデート確認
・スタッフへの新ルール周知
・利用者さんへの説明準備
6月1日改定施行(新点数スタート)


3月に点数が発表されてから施行までにおおよそ2ヶ月の準備期間があります。

この期間を有効に活用し、後述するDX加算の要件確認や、賃上げ計画の策定に充てることが、6月以降の安定経営のカギとなります。

訪問看護における2026年改定の主要な3つの論点と解決策


ここで、特に影響が大きい変更点を3つのポイントに絞り、現場で具体的にどう動くべきかを解説します。



スタッフの給与アップと物価高騰への対応策として、以下の2つの支援が用意されています。

  1. 賃上げ・物価高騰支援事業(即効性)
    • 内容 : 訪問看護ステーションに対し、施設単位で給付金が支給されます。
    • 金額 : 1施設あたり 22.8万円(※病院・診療所とは金額が異なります)。
    • 特徴 : 診療報酬とは別の補助金扱いのため、申請が必要です。
  2. ベースアップ評価料の拡充(継続性)
    • 内容 : 訪問看護ベースアップ評価料の要件が見直されます。
    • 変更点 : +1.70%の改定枠を活用し、対象職種の拡大や計算式の簡素化が議論されています(1/30時点案)。これにより、これまで算定をためらっていたステーションでも導入しやすくなる見込みです。

参照:厚生労働省『令和8年度診療報酬改定の基本方針』




今回の目玉の一つが、訪問看護医療情報連携加算の新設です。

これまで、医師やケアマネジャーへのICT(チャットや電子カルテ共有機能)を使った連絡は、効率的であるものの点数にはならない(持ち出し)業務でした。ここに評価がつきます。

項目旧来の評価新設(2026年〜)
ICT連携評価なし(業務効率化のみ)「訪問看護医療情報連携加算」として算定可能
要件(案)医療情報連携基盤(MCSやLINE WORKSなど)を用いて、医師・薬局等と情報を共有すること。タブレット端末等の整備。



これまでは、訪問看護師が利用者の自宅でオンライン診療の補助(D to P with N)を行っても、「点数が取れない(医師側の点数に含まれるため、持ち出しになる)」という大きな課題がありました。

今回の改定で、「訪問看護ステーションが直接算定できる点数」として『訪問看護遠隔診療補助料』が新設される見込みです。

  • 対象 : 訪問看護指示書の有効期間内に、医師の指示を受けて緊急に訪問し、オンライン診療の補助を行った場合(定期的な訪問以外)。
  • メリット : 医師の手足となって動く看護師の労力が、正当に評価されます。「ドクターは画面越し、看護師は現場」という新しい訪問診療の形が、ビジネスとしても成立するようになります。
  • 点数 : 現時点では未定(詳細な点数は3月発表)。


「訪問看護師が、医師の目となり手となる」新しい業務スタイルが、制度として正式に認められました。

また、オンライン資格確認の導入も義務化が進んでいます。

あわせて読みたい
オンライン資格確認の導入手順や補助金については、こちらの記事で図解付きで解説しています。
▶ 訪問看護のオンライン請求・オンライン資格確認の義務化 | 対応や補助金申請期限などをわかりやすく解説




精神科訪問看護には、評価と適正化のメリハリが鮮明に打ち出されました。

1. 【評価】機能強化型訪問看護管理療養費4(新設)

  • これまで「機能強化型」は「看取り実績」等が必須で、精神科特化型ステーションには高いハードルでした。
  • 今回、精神科に特化した機能強化型(Type 4)が新設されます。現時点で判明している主な要件(案)は以下のとおりです。
    • 人員 : 常勤の看護職員が4名以上
    • 体制 : 24時間対応体制の届け出。
    • 実績 : 精神障害を有する者(重点的な支援を要する者)への訪問看護実積(※具体的な人数等は未定)。
    • 連携 : 退院時の共同指導や、地域の医療機関・住民への研修・相談対応の実績(※「相当な実績」とされ、数値基準は今後発表)。
  • これまで「機能強化型」を諦めていた精神科ステーションにとって、正当な評価を得る大きなチャンスとなります。



2. 【適正化】訪問時間の厳格化(20分ルール)

  • 頻回な短時間訪問(いわゆる30分未満の訪問)に対し、適正化のメスが入ります。
  • 実際の訪問開始・終了時刻の記録が義務化される見込みです。20分未満の訪問は算定不可になるなど、ルールの厳格化が予想されます。


「精神科だから短時間でもOK」という曖昧な運用は許されなくなります。レセコンやタブレットでの正確な時間管理が必須となります。

あわせて読みたい
精神科訪問看護の詳しい算定要件や研修については、こちらの記事で解説しています。
▶ 精神科訪問看護のまるわかり算定ガイド|算定要件から研修、レセプトまでわかりやすく解説


【管理者向け】改定に向けて今から準備すべき3つのこと


改定内容(1/30時点)を受けて、今すぐ管理者が動くべきアクションプランは以下の3点です。



まず、自社のレセプトデータを確認しましょう。

特に精神科訪問看護を行っている場合、以下の2点を洗い出してください。

  • 機能強化型4の要件に届きそうか?(精神科利用者の割合、重症者対応数など)
  • 30分未満の訪問実績がどれくらいあるか?


もし30分未満が多い場合、6月以降減収になるリスクがあります。今のうちに訪問スケジュールの見直し(標準的な30分以上のケアへの移行)を検討する必要があります。

▼精神科訪問看護の改定詳細はこちら
「機能強化型4」の要件や、訪問時間の厳格化ルールについては、以下の記事で深掘りします。精神科メインのステーション様は必読です。(※公開予定)



訪問看護医療情報連携加算を算定するには、地域の医師や関係機関とつながれるICTツールが必要です。

以下の視点でツール選定を進めましょう。

  • 地域の医師会・多職種は何を使っているか?(相手に合わせるのが一番です)
  • 医療介護専用の連携システムか、セキュリティ対策されたビジネスチャット
  • セキュリティは担保されているか

▼精神科訪問看護の改定詳細
「機能強化型4」の要件や、訪問時間の厳格化ルールについては、以下の記事で深掘りします。精神科メインのステーション様は必読です。(※公開予定)



前述の「賃上げ・物価高騰支援事業」の 22.8万円 は、自動的に振り込まれるものではなく、申請が必要です。

都道府県ごとに申請窓口や時期が異なります。都道府県のホームページをこまめにチェックする体制を作りましょう。

デジタル対応と賃上げが2026年のキーワード


2026年度改定は、事務負担を減らしながら人(賃金)とデジタルに投資する事業所が評価される仕組みです。

面倒なことが増えたと捉えるのではなく、給与を上げて良い人を採用し、ICTで楽をするチャンスが来たと捉えてみてください。

今回の改定を機に、まずは今できる現状分析から、新しい時代に強いステーション作りへの第一歩を踏み出し、スタッフも利用者さんも安心できる未来を創っていきましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

※本記事は2026年1月30日時点の中医協「個別改定項目(案)」に基づき作成されています。正式な点数や要件は3月以降の告示をご確認ください。

参考資料:厚生労働省『個別改定項目について』

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